CAUSE I LOVE THIS
HANEDA OSAMU
羽根田治
辻まことのように,スキーを、自由を
.ROCK OR SNOW? 最近はもっぱらテレマークスキー。ツアー志向ですが、なかなか技術が伴わなく、仲間 のお尻について滑っています。しかし、いずれはソロで、と思ってます。以前はクライ ミングもやっていたけど、ここしばらくはハーネスをつけることもありません。もっと も近年のスポーツクライミングには、魅力を感じています。第一線クライマーの、研澄 まされたストイックな肉体は、まるでパンクラスの選手みたいで、女ならずともほれぼ れしてしまいます。いえ、そちらのケはまったくないのでご心配なく。ただ、私もあん な肉体になりたいなあと憧れているだけです。まず無理だろうけど。 FRIENDS オヤジばっかし。そのオヤジたちが、仕事そっちのけでスキーやらクライミングやら不 純異性交遊やらに全情熱を注いでいる者ばかりなので、危険きわまりありません。いみ じくもつれあいが申しておりました。「あなたの友達は、遊びにたいへんなエネルギー を使っている人たちばかりね。そのエネルギーを、もっと世の中の役に立つことに使っ たらいいのに」と。ともすればそちらの世界に引き込まれそうになるのをなんとか踏み とどまり、ドロップアウトだけはするまいと自分に言い聞かせながら、世間一般社会の 片隅のほうにかろうじてしがみついている今日この頃です。それにしても、私のまわり にいるのは、仕事にしろ遊びにしろ、すべからくみなオヤジです。個人的には「もうや ってられねーよ」といった寂寥感を禁じ得ません。私だって、うら若き娘さんとテレマ ークを楽しみたいのです。 最近行ったところ 今年は近年まれにみる経済的大恐慌に見舞われ、散々なシーズンになりそうです。たし か最後に滑ったのは、2月の八幡平でしたでしょうか。今がシーズンたけなわというの に、今日はウィークエンドだというのに、私はひとりパソコンに向かってこんな原稿を 書いているのです。 NEXT? 5月に開催されるTAJの月山ミーティングに参加できるかどうか……。いずれにして もそれが今シーズン最後のスキーになりそうです。しかし、来夏以降、経済状況は徐々 に回復に向かう見通しなので、来シーズンは今季の鬱憤を大いに晴らすつもりでいま す。個人的に興味があるのは会津や越後、吾妻などの山々で、のんびりとした行程でじ っくり滑ってみたいと考えています。なお、ROCK AND SNOWとは関係ありませんが、この 夏には西表島の山を集中的に歩いて、地域研究のような形にまとめられたら、と思って います。 WHY ROCK AND SNOW? やっぱ「自由」でしょ。滑りたいところを滑りたいように滑る、登りたいところを登り たいたいように登る、歩きたいところを歩きたいように歩く、これに尽きます。なんだ か『POWDER』誌の理念みたいだけど。それと引き替えに、精神的、肉体的、経済的、社 会的なリスクも大きくなってしまうのは仕方ありません。「自由」から得られる充足感 は、何物にも変えられないのですから。