IN THE WOODS

kumotori

大雲取谷


梅雨の最中だというのに連日30度を超す暑さ。もうやだ、暑いのは苦手なのよ。山の涼
しい風にあたりたい。かといってこの時期、近場の大して高くない山を歩いても、温風と
虫に苦しむだけ。うーん・・・・。そうだ、そうだよ、沢登りという手があった。近くて
よい沢、大雲取谷へ行こう。  というわけで今年初めての沢登りです。

 車で日原林道に入る。大ダワ林道入り口付近に駐車。林道から長沢谷に下り、対岸の大
ダワ林道に取り付く。15分ほど登り、尾根を回り込んで少ししたら左下の大雲取谷へ踏
み跡をたどる。唐松谷出合いから始めるのが本来だが、今日はショートカットしてここか
ら。9時35分入渓。下り立った沢床でまずは顔を洗う。ひんやり気持ちよい。暴力的な
日差しは谷を覆う広葉樹林に遮られ、聞こえてくるのは瀬音と鳥の声だけ。ああ生き返
る。出だしはやさしくどこを歩いてもよい。膝くらいまで濡らせばすむものを、わざと深
みを歩く。ときどき小さな段差を越えていく。水しぶきでぬれた石の周りに小さな黄色い
花が咲いている。よく見るとあちこちにある。苔の緑とあいまって美しい。こんな楽しさ
がずっと続けばいいのに・・なんて考えていると、はじめて滝らしい滝が現れる。高さ2
~3メートル、高くはないが立っている。前には深い釜。癒し系沢歩きの気分になってい
たので一瞬ビビル。釜の右から回り込み流心のやや右を登る。ホールドが少しぬめってい
るがなんてことはない。初心者にはロープを使ったほうがよいだろう。ここを過ぎると小
雲取谷出合いまでまたまた癒し系となる。小滝を懸けて入ってくる小雲取谷を過ぎるとS
字峡と呼ばれるゴルジュ帯となる。ゴルジュといっても陰気なイメージはない。小滝と釜
がいくつかあり、小滝は問題ない。釜のへつりが2カ所、いずれも右をへつる。中間で
ホールドが乏しくなる箇所に古いスリングがかかっていて助けられる。S字峡を抜けると
ナメと小滝が連続する。難しい箇所はない。左岸から芋ノ木窪、トチノキ窪が細い流れで
入ると次は8メートルの大滝だ。大滝というからには、この谷で一番大きな滝のはず。

ちょっぴり緊張して左側に取り付くが、あっさり登れてしまう。なんだか急に登攀意欲が
わいてきた、次は何だー。が、この先谷は平凡な流れになる。このやる気をどこに向けた
らいいのだ・・・。やる気充分、時間充分なので山頂まで行こうと六間谷に入る。昼食を
取りさらに細くなった流れを行く。左から何本か合わさり、右から1本入り、二股を左へ
とる。この二股は右の方が沢床が低いので本流のように見えるが左の方が大きい。流れが
きれぎれになりはじめたので水を補給する。左右の斜面の傾斜がおち沢床も高くなってく
ると、倒木に行く手をはばまれる。倒木は次々現れ、うんざり。傾斜のゆるい左岸の尾根
に上がりたくなるが、まだ小さい沢状が入ってくるので我慢する。小屋へ水を引くパイプ
が、沢を横切っている所からしばらくで雲取山荘への巻き道に出る。これを突っ切りコン
パスを合わせて山頂を目指す。鹿の糞だらけの笹の斜面をどんどん登る。小さな虫が大群
で飛んでいて口を開けて息をすると入ってきてしまう。目も満足に開けられない。早くこ
こを過ぎたいので急いで登る。汗だくだく。暑いのと虫はイヤだって言ったのに。ぱっと
樹林が切れ、草地を少しで山頂。14時。ぴったり出られてうれしい。晴れてはいるが霞
んで周囲の山はあまり見えない。最後は望まない状況になってしまったが、やはり山頂は
いい。雲取山荘、大ダワを経て約2時間で取り付き点に戻る。

レポート 黒川 春水

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