BIG SIMILARITY, SMALL DIFFERENCE,

自然の岩場と人工壁の違い
知っておきたいこと

 
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 室内の人工クライミングに慣れたひとが自然の岩場にでてまず思うことは、色分けされたホールドがないとい
うこと。というのは半分冗談で、とにかく、人工ホールドと自然の岩場のホールドがまったく違うようにみえる
ことだろう。

 当り前といえば当り前だが、これは随分ちがう。慣れることよりほかに方法はないが、慣れてくれば、違いよ
り似ていることのほうが多いということに気がついてくるのではないだろうか。むしろ、見方、使い方によって
は、自然の岩場には潜在的に、無限にホールドやスタンスがあるわけだから、登りやすいともいえる。人工壁な
ら、身長の短い人が精一杯手をのばしても届かないホールドは、ランジでもしないかぎり届かないものだが、自
然の岩場なら、遠いガバの下に小さなホールドを発見できるかもしれない。あるいは足元にスメアリングできる
へこみがあるかもしれないのだ。

 もうひとつ、自然の岩場でリードクライミングしようとするとイヤでも気がつくことは、ボルトの間隔が長い
ということ。
理由がいろいろ考えられるが、とにかく、長い(というよりも室内壁が短い、ともいえるのだが)。欧米のルート
では概してボルト間隔は日本より長いといわれている。
 間隔が長いということは、落ちた場合、墜落する距離が長いということになるわけで、これは怖いということ
につながります。
これも慣れるしか方法はないのだが、良くできたルートなら、グレードにもよるが、核心部の手前には(つまり
落ちそうなところだね)ボルトがあり、そこでは安全にクリップができる、というのが普通だろう。よくできた
ルートならあるべき所にはボルトが必ずあるはずで、必要充分なボルトが打たれたルートはリズムもよく快適な
ものだ(ということは、ボルトが適正に打たれていないルートもなかにはあるわけで、その辺を見る目が必要)
。それにしても、ボルトは室内のようにたくさん連打されていればよい、というものでもないわけです。

もうひとつ、知っておきたいのは、終了点までいってから、そのあとのおり方。室内ジムならば、ロワーダウンという
方法でビレイヤーがそのまま降ろしてくれるのを待っていればよいのだが、自然の岩場では、これだけでは済ま
ないことがある。まず、終了点にジムのような開閉式のカラビナがないことが多い。この場合は別に説明する方
法で降りなければならない。
また岩場の形状のよっては、ロープに負荷がかかりすぎたり、終了点が確固としていないので強い力をかけたく
ない、というような場合があり、そのときはロワーダウンはできない。そんなときは、確実な方法として、懸垂下降で
おりることになる。この方法はジムでは滅多に使わない方法だからしっかりマスターしておく必要がある。

 

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