ABOUT STICK CLIP
スティッククリップはアメリカのソルトレイクシティのエッピク社からでているもので、 アメリカでは大売れだという。安全なクライミングを考えるクライマーならひとつもってい ても悪くない。 リードクライミングをするひとにとって、自然の岩場のルートで、一本目のボルトが遠いの は、プレッシャーだ。ボルト間隔の短い室内の人工ルートに慣れた人にはなおさらだろう。 最初のボルトにクリップする前に墜落したらグランドフォールまちがいなしだから。クライ ミングで一番緊張するときのひとつだろう。 ルートのなかには,意地悪、とも思えるものもあって、頭のはるか上、信じられないほど上 部に一本目のボルトがあったりする。トポでグレードを知ることができるとはいっても、初 めて登る人には一本目までは恐怖の世界だ。 危険だと感じたら、やめるのが一番だが、登れるか登れないかわからないところを登るのが フリークライミングの常だから、こんな状況にはよくでくわす。そんなときは、迷わず、こ のスティッククリップを使うとよい。その辺に落ちている棒にこの器具をくくりつけ、あら かじめロープを通したヌンチャクをとりつけ、おもむろに一本目のボルトにひっかける…、 と、なんと、安心のトップロープ状態になるというしかけ。これで最初の憂いをたって、ク ライミングに専念することができるというものだ。 昔から、このクリップ方法を行うための器具があって、。。。。、。。。。。、は使ったこ とのある人もいることだろう。そんな器具がなくても、知恵と工夫で手作りスティッククリ ップを使っていた人もいると思う。 図で示したのがそのやりかた。覚えておいて損はないはず。 そんなやり方はフェアじゃない、という人がいるだろうが、それはオンサイトやレッドポイ ントを狙っている場合。練習しているときだったら、トップロープでクライミングしている ときと同じことで、なんら恥じることではない。 無理して、突撃して、落ちて、頭でもうったりしたらそれの方が大恥じということになる。 また、ものの本には、一本目のボルトが遠くて、そこまでいく自信がないなら、そのルート はあきらめること、などと書いてあるものもあるが、『トップロープではなく、リードした い、が、一本目までがこわい』という状況はありうること。核心部がもっと上にあるのなら 、そこまで登ってトライしてみたいと思うのも人情。とりついて練習しないことにはいつま でもそのルートはのぼれないことになる。実力より上のグレードを狙うのなら、安全な練習 をかさねて、そのあとレッドポイントすればよいのだ。要は、危険なことを敢えてする必要 はないということだね。 1本目にクリップしても、二本目にクリップする直前に落ちるとグランドフォールしかね ないルートもあるので注意。そんなときは2本目までクリップできればさらに安心だ。また 一本目の下に手ごろなクラックなどがあればフレンズなどをつかってプロテクションをとる のも手だ(アウトドアでクライミングしようとするひとなら、常に、フレンズなどのフレキ シブルカム類を1セット、備えているのは常識だよ)。
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