WORDS OF MASTER

面白けりゃなんでもあり


ALMOST ALLRIGHIT SUNDAY
 


ホイホイ宮崎氏に聞く

------こんにちは
ホイホイ。

―――クライミング、長いですね。1971年に26歳でアルプスへ行ってますね。
最終目標は未踏の冬壁を登ることでした。そのために1年目の夏は10本以上登りました。
危ないことをずいぶんやったなあ。そういう時代だったから。それでイキがっていたのかな。


―――グランドジョラス北壁中央クローアル初登は、以来2登がないとか?
いまあんなところ登る人はいません。危ないですから。あのときは持っていたピッケルを
バーナーであぶって曲げて氷壁用に改造しました。そして本番へ。


―――発明王の片鱗ですね。ガストン・レビュファと登ったとか?
ミディのレビュファルートとか登りました。『星と嵐』の友愛という言葉に感動した
んですよ。ソロはつまらん。パートナーと喜びを分かち合って登りたい、ということかな。
 マッターホルン北壁はおもしろかったですよ。パーティーの中に冬の北壁とは思えな
い明るさがあって。楽しく登れるのが一番です。


―――フリークライミングを始めたのは?
 71年当時、パリのクライマーはラバーソールを履いていました。
帰国後三ツ峠で早速履いたら、「地下足袋の親分みたい」と言われましたが。それが今
おもえば事始めだったわけ。この世界は、とにかく登れるやつがえらい。
はっきりしていたから、新鮮だった。理屈はないわけ。スポーツだからね。



――今も5.12を登るとか。
クライミングは年じゃありませんぜ。このあいだも5.12を3本くらい登りやした。
でもグレードは二の次。かんたんなルートでも楽しめる良いルートがたくさんあ
ります。


-----クライミングは危ない思っている人が多いようですが。
クライミングは遊び、ですから、危ないことを無理してやることはない。
フリークライミングの場合なら、危ないときはヌンチャクを握るかもしれないし、
危険なルートなら1本めはスティッククリップするとか。トップロープでもいいわけ。

-----トップロープの効用は。
フリークライミングは安全に登るのが重要でしょ。練習でトップロープほど安
心なものもない。ムーブはおなじなんだから。リードするんなら練習してから
レッドポイントすればよいのです。ぼくが5.13を登るときはそうしますよ。
オンサイトはすばらしいことです。が、それはその人の実力にふさわしいルートでやる
ことで、実力以上のルートではなかなかできません。


―――御言葉を。
クライミングは遊び。面白けりゃ、なんでもあり。他人に迷惑かけなければ。自分の
ルールがあればいい。ホイホイ。


「宮崎ホイホイ」「スノーシャット」などありがたいクライミンググッズを作り出す
宮崎秀夫さん。クライミング界の大御所だ(シーラカンスと言う人もいる)。
。名物の宮崎カー(独自改良型クライミングツアー向けワゴン車)にギアとキャン
プ用品、そして仲間たちを大勢乗せて東へ西へ。テレマークスキーもうまい。
(インタビュー=柏、汽車)
 

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