HOW TO MASTER TELE QUICKLY

テレマークなんてカンタンだ
糸尾汽車

 
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テレマークなんてかんたんだ
スキー経験者のための即習法発表

 テレマークスキーがブームだ。ブームと
はいうが、テレマークの雪山での実用性の
高さ、その運動性の面白さなどそれなりの
理由があって流行っているのだろう。クラ
イマーとの相性がよくてヨセミテあたりで
はクライマーのピックアップにテレマーク
スキーが乗っかっている光景がよくみられ
る。道具からの自由という意味でフリーク
ライミングとテレマークは共通項をもって
いるという見方もできそうだ。
 それはともかく、「テレマークは難しい」
という噂がひろまっているらしい。そして
、それは正しい。アルペンスキー(いわゆ
るゲレンデスキー)に比べれば、カカトが
つねにプラプラしている分だけテレマーク
が難しいのは当然だろう。とはいえ最近は
、初期の板や靴のように細くてヤワなもの
ではなく、たいへん滑りやすい道具がでま
わっているので、テレマークもけして難し
いものではなくなった。 
 今風のテレマークスキーを使えば、ゲレ
ンデで普通のスキーでパラレルターンがで
きるくらいの人なら1日くらいでマスター
できるだろう。山スキーであちこち行って
いる人なら半日くらいでテレマークがもの
になるにちがいない。ゲレンデスキーがそ
こそこできる人のために、さらにてっとり
早い習得法をご紹介したい。これなら2時
間でマスターできる。
 テレマークスキーとブーツを用意して近
くのゲレンデにでかけよう。板は最近の幅
広短かめのもの。靴はプラスチックの深めがよい
だろう。緩いゲレンデをえらびリフトに乗
る。そしてふだんのアルペンスキーのよう
に滑ってみよう。カカトが固定されていな
いので注意しないと前につんのめりそうに
なるが、そこをグッとこらえて、いつもの
アルペンターンができればよい。板の中心
にさえ乗っていればすぐにできるはずだ。
これであなたもテレマークスキーで滑った
ことになる。あとはどんなところでもこの
アルペンターンができるように滑り込むこ
とだ。
 テレマークスキーだからテレマークター
ンをしなければならないという決まりはも
ちろんないのでこれでよいわけである。む
しろテレマークターンよりもふつうの雪質
、斜面ではアルペンターンのほうがラクで
快適かもしれない。(写真1)
 せっかくテレマークスキーを用意したの
だから、テレマークターンをしたいという
のは人情。その方法は写真2のようにする
とよい(事前知識として、アルペンターン
では回転時に山足スキーがちょっと前にで
ている(先行する)のだが、テレマークタ
ーンでは逆に谷足スキーが前にでることを
知っておいてほしい)。
 アルペンターンの斜滑降姿勢からそのま
まスキーを先落とし最大傾斜線にむける。
すると自然とカカトがあがるのでそのまま
うまく回す。これでテレマークターンの完
成となる。再び斜滑降に入ったらすぐにア
ルペンターンの斜滑降姿勢にもどり、前の
ターンと同じ様に、そのままスキーを最大
傾斜線にむけると自然にカカトがあがり、
反対まわりのテレマークターンが完成する
。これで連続テレマークターンができたわ
けだ。
 実際にはいくらかのコツが必要で、最初
はシュテム気味になったりするかもしれな
い。また回転に入るまえに意識的に後ろ足
のカカトをあげることが必要かもしれない
。回転中は前スキーに過重したほうがやり
やすいはず。
 写真3は、リバーステレマークといわれ
ているもので、テレマークターン修得法の
ひとつ。右回転はアルペンターンだがつぎ
の左回転はテレマークターンでまわるとい
うもの。この逆も練習すれば、連続テレマ
ークターンもすぐにマスターできます。写
真2とあわせて練習するとよい。
 テレマークスキーを使ってアルペンとテ
レマークの2種類のターンができるように
なれば、ひとつの斜面のなかでも状況に応
じて使いわけられるのでたいへん便利。1
台のテレマークスキーとシールがあれば、
山でもゲレンデでも縦横無尽に登ったり滑
べったりすることができるはずです。
(糸尾汽車)


  

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