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自然の岩場のルート、とくにボルトを打って作ったルートは、いずれだれかが作ったルートだから出来不出来が ある。 楽しいクライミングができるルート取りかどうかがまずその第一。一面の壁のなかにどんなルートを引くかはク ライミング経験とセンスがものをいうだろう。良いルートはスタンダードとして末永く登られるだろうが、魅力の ないルートは廃れてしまうだろう。 出来不出来はルート取りだけではない。 安全のためのプロテクションの作り方にも出来不出来はあるのだ。 商売でルートを開いている人はいない。みんな持ち出しでボルトを打っているのが普通だから、ボルトや終了点 など金物を節約している場合もある。B級品の金物を使ってあるかもしれない。ボルト間隔が長かったり、終了点 に無理があるものもある。 ボルト自体が不良品ということもある、あるいは古いルートなら打たれたボルトが劣化しているかもしれない。ま た誰かが打ったものだから浅打ちのように、打ち方がまずい、つまり抜けやすいものもあるかもしれないのだ。 またボルトの位置も重要で、スラブやフェイスルートの場合はスリップして落ちた場合、体がボルトの当たらな いような位置になければならないし、ハングした壁などではテンションがかかった場合、カラビナやロープが岩角 に当たらないようにかんがえられていなければならない。墜落したとき、振られて側壁に衝突してしまうようでは よいボルト位置とはいえない、とかとか、ボルトが適正な位置にあるかどうかは、登る前にクライマー自身がチェ ックするべきことがらだろう。 既成のルートにはよく出来たルートもあるが、そうでもないものもあることを知っておきたい。すべてのルートを 信じるのは危険だ。 ルートの危険な部分が見えるようになれば、対処の方法もあるが、どこが危険がわからないというのはこわい。 危ないルートで、事故がおきても責任は自分にあるわけで、自分が危ないルートを見分ける目をもたなかったと考 えるしかないのだ。BACK TO "Beyond Risk" PAGE(寄稿とお便りページの目次へ)
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