97年3月20日~22日 member=MORI HIKARI, MOMO,
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3月20日 夜通し東北道をとばして安達太良サービスエリアで友人と待ち合わせた後、乳頭温泉 で車を一台置き、もう一台で岩手八幡平のスキー場へ。天気予報通りの快晴だ。朝イ チのリフトで大黒森へ登り、茶臼岳に向かう。ここでTAJ理事の平山さんに偶然出 会う。 茶臼岳から平山さんの自宅が見えているという。とってもうらやましいぞ! 茶臼から八幡沼まではばっちりトレースがついている。今日の泊まり予定は稜雲荘だ ったが、天気も良く、時間も早いので寄らずに直接見返峠へ。アスピーテラインに出 ると西風が強い。天気はちょっと下り坂だが、視界は良好、先を急ぐ。モッコ岳から 諸桧岳は平らで視界があっても迷いやすい所だ。赤布とトレースがついているおかげ で、迷うことなくどんどん進む。ラッキー!険阻森までの間はほんとうにモンスター のような樹氷群だ。大深山荘も樹氷の中でわかりにくい。入り口を除雪して入る。明 るく正しいトーホクの小屋だ。小屋着は15:30。 3月21日 次の朝も快晴。大深岳まではあっという間。ここから人気コースから離れたルートと なる。トレースもなくなるのでルートをしっかり見定める。葛根田大白森が白い雪原 となって、かっぱの頭みたい。かっぱ方面へはくれぐれも入ってはいけない。大深岳 から見おろしたときはルートもはっきりして、ちょろいぜと思っていたが、いったん 樹林帯にはいると視界が効かずとたんに不安になる。 関東森へ入る尾根を間違えて一本北の尾根に入ってしまい急な沢を横断して修正する 。ブナ林なら視界も効くがトドマツの樹氷では晴れていても迷いやすい。と、自分の 読図の悪さを植生のせいにしてみました。ようやく関東森に着く。さいわい昨日より も良い天気で風もない。八瀬森山荘は中を覗いただけで通過。八瀬森は山頂を通らず に2000m付近をトラバース。曲崎山へと向かう。曲崎山はこのコース中で唯一ピ ークらしいピークだ。尾根もはっきりしていて迷う心配もない。急登を登りつめて山 頂へ。鳥海山、秋田駒がよく見える。振り返れば昨日、今日と歩いてきた道のりが信 じられないほど遠くに見える。 山頂からはシールをはずしてフィルムクラストの快適な斜面を滑る。コース中、初め ての滑走だ。ブナの木々が大きく美しい。さすが葛根田!大沢森を越え、大白森山荘 方面へまたもアップダウンが続く。ほんとうにテレマークの利点を充分に発揮できる コースだ。負け惜しみじゃないよ。大白森とのコルで関西学院大のワンゲル部がテン トを張っているのに出会う。連休というのに大深岳から歩いてきて初めて出会う人だ 。彼らは田代岱小屋から来たという。 ここからは彼らのトレースをたどって、すぐに大白森山荘に到着。もう15:30な のでここに泊まってもよいのだが、まだ天気がよいこと、今晩は満月に近い月が明る いこと、明日からは天気が崩れそうなこと、それから関学のトレースがあることを考 えて田代岱小屋まで行くことにする。まじかよー。大白森までは急登で次第に疲れが たまってきた足にこたえる登りだ。飛行場のようにだだっ広い山頂を過ぎ、小白森か ら小さいピークを3、4つ越える。田代岱へのコルの手前で日が山に沈む。さような ら太陽。雪の山々が薄紫色に染まっている。 足のほうはもうへろへろだが、ルートはトレースをただ辿って行けばよいので楽ちん である。次第に行く手の月が明るさを増してくる。振り向けば2000年に一度地球 に近づくというヘール・ボップ彗星がまさしくほうき星らしく尾を引いている。なん て幻想的な風景!疲れも忘れてこの滅多にない素晴らしい山歩きを楽しむ。しぶいぜ !田代岱は月明かりを浴びて輝いていた。小屋に着いたのは夜7時半。ここまでくる とかえって気分爽快、ナチュラル・ハイ状態である。小屋にはだれも泊まっていず、 乾いた布団がたくさんあった。充実感いっぱいで、すやすや眠る。 3月22日 今日は曇り。視界はまだある。乳頭山まで30分。山頂付近はカリカリの氷。秋田駒 もぐーんと近づいて縦走したいところだが、アイゼンもクトーもないのでおとなしく 下ることにする。乳頭山から田代岱小屋へは沢を滑る。チョー粉雪!小屋から孫六温 泉まではたくさんの登山者に会う。乳頭温泉の名湯「鶴の湯」で至福の時をすごして カンペキなフィナーレ!。