穂高頂上までの充実した回り道
屏風岩雲稜ルートと北尾根
1997-7-31~8ー1 黒川晴介、汽車 北アルプスで夏山ジョイだ、というわけでもないけれど、高い山でロッククライミング しよう、ということで、上高地から横尾へ。 7月31日 横尾山荘を5時15分に出る。もう明るい。天気よし。岩小屋で本谷の対岸 にわたり、一ルンゼにはいる。7時T4尾根取りつき。屏風岩全壁に人影なし。 1ピッチ目 4級 晴介リード たまのアルパイン、けっこうむずい。 2ピッチ目 4級 汽車リード けっこうこわい。だんだんなれてくる。 T4で休憩、東壁雲稜ルートにとりつく。 3ピッチ目 50メートル、5.8らしい。汽車リード、凹角がんがん登れる。 4ピッチ目 30メートルフェース。汽車リード、出だし一手A1。高度感あり。扇岩 着。 5ピッチ目 ボルトラダーの30メートルからバンドトラバース。アブミを使い晴介リー ド。 6~10ピッチ目 傾斜落ちて、ルンゼ状のスラブが続く、最後はコケ蒸したルンゼを 登って終了点。11時30分。 屏風の頭まで暑い登り1時間。ここで水1リットル終わる。カラサワヒュッテ着2時15 分、生ビールで乾杯。横尾から9時間の楽しい回り道だった。 8月1日 朝までの雨あがり、急速に青空出現。 7時発。5、6のコルから前穂高頂上まで2時間くらい。尾根上に人影まったくみえず。 カールにガスがわき槍ガ岳が見え、富士山も望める。静かで、絶好の夏山ジョイ気分。浮 石も多く、とくにトラバースするときは足元注意。ロープを二回ほどだした。 頂上からいっきに岳沢ヒュッテまでくだり河童橋まで早足、12時30分。カラサワから 上高地までの早くて楽しい迂回コース。 高度感ありマルチピッチがたのしめた。岩はけっこうしっかりしている。プロテクション がしょぼい、が気をつければ大丈夫。天気さえよければ快適、痛快だ。アルパインで嫌な のは、背中のザックと壁のなかで天候が変わったときだろう。それにしてもボルトラダー というのは時代の産物とはいえ、 いま思えば、イージーゴーイングな岩登りだなあ。 ハイキング道には老若男女がひしめいているのに、壁や尾根には人っこ一人いない。平日 とはいえ夏休みのシーズン、さみしい。盆には屏風岩にもラッシュが訪れるのだろうか。 滝谷や剣にくらべれば、北岳に比較してもアプローチは楽。営業小屋も使える、横尾をベ ースにしてもよい。もっと屏風岩は登られても不思議はないのだが。