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:甘孜のトレッキング報告 帰国後、なんだかバタバタして、報告が遅れました。 7月1~15日まで中国四川省甘孜チベット自治州へ行ってきました。 当初、成都在住の中国人の友人に、同じ時期に同じエリアに入るアメリカ人た ちがいるので、紹介してもらう予定だったのですが、SARSのあおりでアメリカ 人たちのフライトがキャンセルになり、結局、友人にずっと付き合ってもらい ました。 この時期、中国全土で大雨。各地で大災害がありました。私の旅も、思うよう には行かず、残念。目的の半分も果すことができませんでした。結局、山を歩 けたのは、たった2日間だけ。 目的* 1 ツォップ谷のゴンパ詣と谷を歩き回って遊ぶ 2 リータン(理塘)のゴンパ詣 3 高山植物とチベット東部の山の写真をたくさん撮る 4 ツォップの競馬祭見学 ←これ、叶いませんでした。 メンバー* 柏澄子(ARC)、張少宏 行程* 7月1日成田~上海~成都 2~4日ツォップ谷に向けて、川蔵公路南線を友人の運転するランクルで移 動。途中、4000メートルの峠で何度か歩き回って順応したり、高山植物の 撮影。硫黄の温泉にも入る。 5日 ツォップ谷へ。ツォップ湖の脇に、BC設営。4100メートル。 村の 人に挨拶。子どもと遊ぶ。 6日 100周すると難病も治るという湖を1周だけしながら、谷の奥にある ゴンパ見学。ラマは留守だったので、勉強中の少年に話を聞く(片言のチベッ ト語で会話にはなっていないが、多少のことはわかった)。 7日 雨・雨・雨で停滞。ツォップ村の管理人の家に遊びに行く。管理人やラマ にインタビュー。友人に中国語通訳をしてもらう。 8日 天候とその他の事情(安全面のこと)でBC撤収 9~11日 成都へ戻る。途中、海子谷への転戦も考えたが、大雨でボツ。ミ ニャコンカをぐるりと周りながら(雨で当然見えない)、成都へ戻る。 12~14日 この天気ではどうしようもできないし、これ以上、二郎山を越えた チベットエリアに滞在するのは難しいので(道が崩れると戻ってこれない)、 急遽、四姑娘山エリアへ向かう。川蔵公路北線は、道もそれほど悪くないし、 ホテルをBCにしてトレッキングできるから、多少の雨でも大丈夫とのこと。四 姑娘山がよく見える尾根をトレッキング。広島の方々が初登した、南壁のルー トがよく見えました。 ←成都経由で四姑娘山に向かったのは正解。南線から北上していたら……途中 の村に土石流が発生し50人が死亡。 15日 帰国。 ツォップ谷は、チベット色の強いところでした。通常、ギャルツェンと呼んで いる、白い布ののぼりを、当地ではチョダーと呼んでいました。薄紅色で経文 が書かれていて風になびいている様子は、とても清々しいものです。 小川山を5個ぐらい重ねたような岩山(ジャージンジャンポ)に囲まれてい て、ボルダーは腐るほどありました。昨年、ノースフェース&チャンネルディ スカバリーチームがクライミングし、それに友人のお兄さんが同行したそうで す。お兄さんの話によると、花崗岩の固い岩で、クラックとスラブ。ナチュラ ルプロテクションによるクライミングが楽しめるとのこと。ピッチ数とかグ レードはわかりませんでした。山のてっぺんは5000メートルぐらい? 今度、ARCのみんなでいきましょうか? ご希望の方、写真あります。 針葉樹と花崗岩の岩山と湖のある放牧地で、高山植物はた~~~くさん。 道中も花はいくらでもあって、20本のフィルムはほとんど高山植物です。ブ ルーポピーとイエローポピーとレッドポピーがいっぺんに咲いているのは、初 めて見ました。ほかにも、はじめてみるような花もたくさん撮ったので、これ から名前を調べます。 4・8日の両日にリータンのゴンパを訪問しました。ダライ・ラマ6世の詩が 心に残っていて訪ねてみたかったのです。多数の高僧を輩出した地で、超現実 主義の私でも、スピリチュアルなものを感じました。ゴンパ自体はそれほど大 きくないのですが。 食事は四川料理がほとんどで、ラー油より遥かに真っ赤なたれと山椒や豆板醤 が利きまくった香辛料で調理された、ワラビやヤク肉やドジョウやその他野菜 を食べていました。代表的な四川料理である火鍋には、ヤクの脳みそやアヒル の足や豚の血のカタマリとか、ちょっと言葉にすると驚くようなものが入って いるのですが、どれもこれもおいしかったです。ビールもワイン(これはフラ ンス製だけれど)も旨くて、毎日ガブガブやっていました。 「”成都美人”という言葉があるように、唐辛子などの利いた料理は、脂肪を 燃焼させるので、いくら食べても太らない」という友人の言葉を鵜呑みにした のが、愚かだった……。 本当は、山を歩いた報告をするはずだったのですが、(あくまでも!)天気の 事情により、こんな報告になってしまいました。 →晴介さん このエリア、もっといろんな可能性がありそうでしたよ。今回、馬による移動 をマスターしてくる予定だったのですが、これができずに残念。やっぱり旅に 馬は必須かも。 →渡辺くん 川は、全て濁流。すごい勢いで流れていました。友人曰く、本当にカヤックが おもしろいエリアはもっと奥とのこと。 ------------------------ 柏 澄子 KASHIWA Sumiko